あせもについて

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あせも

2023年10月03日

昭和時代のあせも

皆様は「あせも」という言葉をご存じだと思います。この「あせも」という病名は、一般にかなり浸透しているからです。

「あせも」は夏によくみられる軽い皮膚病と考えられがちです。でも、実はそうではないのです。昭和の時代は、「あせも」は確かに大した皮膚病ではなかったでしょう。蒸し暑い日本の夏に、まだ冷房も普及しておらず扇風機やうちわでしか暑さをしのぐ事ができないため、べたべたした汗が長時間肌にへばりついて、そのためにかゆくなっていました。だから、水浴びして、あとは肌を乾かすパウダーをはたいていたのです。つまりこの時代は、夏の肌は一日中べたついていて、水洗いして乾かすことが治療だったわけです。

現代のあせも

しかしながら、現代は全く違うのです。

冬はエアコンやファンヒーターでカサカサになるのは当然ですが、熱中症が問題になる夏もアスファルトから立ち上る熱気で乾かされ、室内に入れば一日中クーラーがきいているために、実は夏の肌は想像以上に水分が蒸発し乾燥しています。

エアコンやアスファルトの影響は、皮膚の角質層の水分を減少させ角質層が本来持っているバリアー機能(外部からの様々な刺激から皮膚を守る機能)を著しく低下させます。

汗をかいても皮膚は潤うことはなく、バリアーが弱くなった肌に汗の成分や雑菌やほこりなどが侵入して、湿疹やかぶれ、とびひをひきおこすわけです。

ですから、汗を洗い流した後にパウダーなどで乾かすと、さらに乾燥肌が進行してしまい、一層汗のトラブルが悪化することになるのです。つまり、昭和時代の「あせも」の対処法では逆効果なのです。

あせもの対処法

では、どうしたらよいのでしょうか。

べたべたした汗を長時間肌に残してはいけない点は昭和でも現代でも同じですので、シャワーなどで速やかに汗を洗い流すのがベストです。最近は汗を拭きとるシートが人気ですが、アルコールやメンソール、香料などの添加物を含むため、肌が弱い人にはかえって刺激になることがあります。水で濡らしたタオルで汗のべたべた成分を優しくふき取り、そのあと乾いたタオルで水分を取ることがおすすめです。

汗を洗い流したら、そのあとは保湿するスキンケアをしておきましょう。汗をふき取るだけではだめなのです。そのあとに角質を守る保湿ケアをしておかないと丈夫な肌にはなりません。

汗を洗い流して保湿ケア・・・これが令和の夏の正しいスキンケアなのです。

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